第十六章 彼との再会

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蓮花はザードを遠くへ誘導してくれた……と考えるのが正解か。   彼をこの場所から避難させなければいけない。しかしどうやって?彼にはあらゆる物が治療として使われている。まさかまるごと全部を持っていくわけにはいかない。   第一治療に関して何も知らない私が闇雲に動かしてはまずい。   「さて、君はどうするんだい?」   「!?」   デュラン。全く気配に気付かなかった。でもこの男がここへ来るという事は。   「ザードの独断みたいだね。宗吉君に依存している君の態度が気にいらなかったみたい。だから当然私としては殺すつもりなんてないさ」   この男はどうしても信用できない。反射的に構えてしまう。   「しかしザードの言い分も一理ある。私としては非常に残念だが、いっそここで命を絶つのも君のためになるかもしれない」   思考を回転させて何とか案を弾き出そうとしてもこの男に敵う策はない。しかし最後まであがく。それが私にできる最善。   右手から黒爪を出し、逆の手に力を溜める。   「無謀な挑戦は止めた方がいい。勝てないよ、私には」   不敵に笑う顔が余裕を感じさせる。奴が言ったことは紛れも無い事実だ。   一歩ずつ、奴は私に向かってくる。一方私は下がれない。   後一歩で自分の領域に入る。その時、流れは変わった。   「デュラン殿!!」   「何だ、今いいところなのに」   この緊張の瞬間は思わぬ展開で途切れる事になる。   「討伐協会が攻めてきます!!」  
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