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一体私は誰と戦えばいいのか。
「あら、あなたも前線に出るんですの?」
噴水場にシーザがいる。それも黄色の鞭のようなものを持って白い翼まで生やしている。完全な臨戦体制だ。
「討伐協会は残りの戦力を全部持ってきたのだろう?ここで一網打尽にすれば潰せる」
「ガデスはもう研究所の正門付近にいますわ……そちらの彼女も?」
「いや、まだ違うようだ。どちらにしろ俺達だけで十分。貴様は適当に立見でもしていろ」
ザードとシーザは正門へ走り出す。魔生物側にも討伐協会側にも加担しない私は半端者……か。本当にその通りだ。
「おや、君は行かないのかい?」
「デュランか」
魔生物の生みの親。この研究所の支配人。
この男、見た目はただの人間だ。しかし魔生物だけでなく魔生人さえも従えている。
かと言って引きつける物があるかと問われればないとも言える。ではこの男は何が凄いのか。
あの闘刃を協力者として迎え入れられた事が私には考えられなかった。
「ザードと渡り合えるなんて凄い隠力者だね。噂通りの強さだ」
「噂?誰から私の事を?」
「私は羅国にも何度か足を運んだ事があってね。多少の調べはついているよ」
コイツ、私達の事を事前に知っていたのか。でも魔生物を研究している奴がわざわざ羅国に?
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