第二章 森国の事情

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とんぼ帰りだったので多少疲れた。だが休んでいる暇はない。実質あと二日で誰を連れて行くかを決めなくては。   「戻ったか。許可証は?」   「これだ。偽造できないように細工はしてあるらしい。それでなんだが……」   無事帝国に帰還した私は一先ず禅に向こうでの話を報告した。   「ム……なんとも言い難い。お前だけの単独の方がいい気もするが」   「私は対大勢には不得手だ。できれば遠距離攻撃できる者、それと隠力感知能力が高い者を連れて行きたい」   心当たりはある。無理強いはできないから当事者と話し合いはするつもりだ。   「前者は多分同行できると思うが……」   後者の隠力感知能力というのはある種才能に近い。こればかりは資質に依存する場合が多い。私が知っている隠力者の中では彼女が有力だが、帝国軍ではない彼女が頷いてくれるかどうか。   「期限も短い。この件については蓮に一任する。ただし条件がある」   「それは?」   「滞在期間の事だ。一ヶ月を過ぎても帰らないのならば隠力執行部を総動員してお前達を連れ戻す。これは帝国としての命令だ」   一月か。まぁ致し方ない。帝国も宗吉や闘刃の他、私達までいなくなったとすれば武力はかなり落ちる。   「わかった。ぜひそうしてくれ」  
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