第十八章 彼の心

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隠力の気配がする。方向は研究所の方だ。宗吉は今リンクが切れているから違うとすれば、蓮花辺りか。   荒廃した土地の中心に研究所はある。魔生物の数もさっきまではそれなりにいたが、この距離まで来るとほとんどいない。上級魔の威圧を感じる所まで近付いた証拠だ。   「ミヤコ無事?」   「生きていることは生きている。デュランも殺すつもりはないらしい。助けるつもりか?」   リーンには一通りの事情を話した。それでも助けるつもりらしい。強く頷いている。   首にかけられた発信機にもうデュランも気付いているだろう。一応言われていた目的は果たせた。これで発信機を外すことができる。   リーンを見つけられたのは偶然に近い。俺自身も死んでいるものと思っていた。   「……メイデンいる」   「魔気を感じるのか?」   「うん。他にもたくさん。討伐協会近くにいる」   そう言うとリーンが構わずに研究所の方角へ飛んで行ってしまった。どちらにしろ近い。追うまでもないか。   「確かに。古代生物の匂いを感じる。それも複数」   「研究所にも討伐協会にも古代魔生物はいる。もっと特殊な奴もいるが」 討伐協会が研究所の近くにいるということはミヤコの奪還に来たんだろう。しかしミヤコとタイラがいない討伐協会に勝ち目など全くないに等しい。  
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