第十八章 彼の心

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いや、もし蓮花や流人が討伐協会側についたらどうだろうか。少しは健闘するかもしれない。 「……討伐協会とは何だ?」   「魔生物にも人間に対して好意的な奴がいる。その集団の事だ。魔生物を使って人間を支配しようとしているデュランと敵対関係にある。情勢としては完全にデュラン側が有利になっている」   「何とも混沌とした争いよ。して闘刃、お前はどちらなんだ?」   研究所が少しだけ見えてくる。あと数キロといったところか。   「俺は人間があまり好きじゃない。今の段階ではデュラン側だ」   最初の隠力が収まったかわりに別の隠力が現れた。ついに戦いが始まったようだ。   「弱い方と強い方、どちらに味方すれば面白いと思う?」   聞かれたルガードは鼻を鳴らしてこう答えた。   「弱い方だろう。俺は弱者をいたぶるのは好きじゃない」   「なら、そうしてくれ」   「どういう事だ?」   俺はある作戦をルガードに話した。これは強い第三者がいなければできない作戦だ。   「……ふむ。まぁよかろう。力は抑制しなくていいくらい相手は強いのか?」   「あぁ。特に魔生物研究所にいる古代魔生物や魔生人は強い」   爆発音が耳に入る。とうとう始まったか。   俺とルガードは目を合わせ、研究所へと走った。
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