第十八章 彼の心

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ルガードと別れた後、研究所の裏門に急ぐ。とばっちりを防ぐため、念のために結界を張った。   既に何体かの屍が辺りに落ちている。やったのはあの男か。   俺の存在を見つけ、ソイツは空中から降り立つ。   「討伐協会が来た。少々予定にない出来事だが概ね計画に支障はない。入れ」   通された裏門を抜け、研究所の棟に進む。研究員達は一応避難しているのか。   デュランの部屋がある階まで上がり、その瞬間に誰かから攻撃を受けた。   「あなたでしたか」   「ヤマ……デュランは?」   刀による一閃を容赦なく行ってきた事を考えると所内はこの男の管轄であり、かつ出歩く奴は全て敵と見なしているのだろう。   「いません。おそらく庭に出ています」   「そうか。すまん」   「あ、ちょっと」   ヤマの言葉は無視してすぐに階段を下りる。庭……というとあの噴水場か。   揺れが不規則に起こる。中々激しい戦いをしているようだ。ガデス、シーザ、ザードは確実に戦闘を行っている。空を飛べる奴をわざわざ研究所に残すはずはない。   「おや」   デュランは正門付近にいた。普通の人間なのに外に出ていたのか。   「見つかったかい?」   「一応。その話をしたいところだが、思ったより戦いが長いな」   「幹部達が意外にしつこくてね、ガデスも君から受けた怪我が完治していないから本気は出していないよ」   だからこそ今しかない。ルガードも怪我を負っているガデスならば善戦してくれるはず。   「でも蓮花君も協力者になってくれた。討伐協会の終焉は見えてるよ」   「そうか」   やっぱり蓮花も……。この国に来た時点で想像できていた事だ。   これは急ぐ必要がある。
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