第十八章 彼の心

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‡   あの時の感覚に似ている。オロチ、コクリュウ、ラスターが集った時の私。   闘刃に手をかざされ、瞳を閉じて再び開いた瞬間に世界は変わった。   焼けて燃え盛る街の中。私はそこに立っている。建物に触れることはできない。あくまで彼の精神の中だからだろうか。   自分の翼は生えているが古代生物は呼び出せない。力も制限されているようだ。   「……誰かいる」   黒い影が三つ。微かにだが見えた。とりあえずそれを追ってみる。   街の中は酷い有様だ。幾多もの人間の死体が転がっている。炎に焼かれて焼失した数も考えると相当なものだろう。   『いたぞ!!向こうだ!!』   生き残っている人間達が武器や銃火器を手に走り回っている。追い掛けられているのは先程見た三つの影。   それらは途中で三つに別れた。正確には二つが分離し、一つが止まった。   『もう逃げ場はねぇぞクソガキ。大人しく殺されときな』   「あれは……」   面影がある。まだ歳は十代前半くらい。身長はこの頃から高かったのだろう。   『こりゃまぁ十一才の子供に大人十数人。容赦ないね』   彼だ。武器も服装も違っているけどわかる。これは彼の過去の記憶だろうか。   『死にさらせ!!』   大人側は一斉に銃火器を撃つ。辺りを撃ち壊すくらいの威力が彼に撃ち込まれる。  
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