第十九章 昨日の仲間は今日の敵

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タイミングは完璧だった。闘刃自身では動く暇もない。   しかし闘刃は先程の銃を地面に向けて撃ち、その衝撃で俺の目を見誤らせた。   まだ近くにいるはず。即座に爆煙を気にせず踏み込んで一気に大剣で回転斬りをみまった。   高い金属音が目の前で響く。惜しい。闘刃は直接防御している。   「無空撃か。少しは非情になったようだな」   「ヒッヒッヒ、闘刃には負けるよ」   無空撃は虚数の黒衣と双璧をなす裏技。触れたモノの体積を限りなく零にし、存在を消滅させる。闘刃に纏う結界を壊せる唯一の方法になる。   そして……   「チッ!!」   片手を近付けようとした時に拮抗した状態から闘刃が離れる。無空撃を恐れている証拠にほかならない。   「相手が闘刃でなけりゃ楽勝なんだけどな……」   小手に加え、全身結界に拳銃。しかもあれは隠力で生成した水蒸気爆発のエネルギーを込められる特殊な奴だ。でなければあんな小型でさっきのような威力は出ない。   銃弾は隠力で避けられる。全身結界は攻撃の瞬間に解除されるからそこを狙う。受流拳は物質空間移動でどうにかするとして。   ……あれ?待てよ。今、闘刃って攻撃したか?いや、多分してなかったような。   逆に考えて、闘刃はどうやって俺に勝つつもりなんだ?このルールだととんでもなく時間がかかってしまいそうな気が。  
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