第十九章 昨日の仲間は今日の敵

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……それが闘刃の目的?俺を長時間ここに居座らせる事がか?   「無空撃は厄介だな」   拳銃をこちらに向け、次々と発射してくる。空間を操れる俺にとっては正直無意味な攻撃だ。互いに十メートル以上離れているから、たまに的外れな弾も来る。   どういう意図があってこんな事を?   大体、長くこの空間にいればいるほど俺の記憶は正確になり、隠力の効果が高まっていく。   「何が目的だ?闘刃!!」   擬似空間を介し、十メートル以上あった距離を最適な間合いまで瞬間的に詰める。   結界で再び守られるのは予測済みだ。これなら……   「!?」   無空撃の空間移動。後退する距離まで計算した。これは外れない。   ついに部分的にだが結界を打ち破り、そこを狙い目にして蹴りを入れる。その攻撃は直接当たった。   「……っ!?」   二回目を大剣でと思った矢先に銃口が向けられ、咄嗟にその場所に隠力を造る。だがそれは騙しだった。小手の部分で俺の顎を打ち上げ、偽剣で胸部を突かれる。   しかし打撃にいつもの強さはない。俺は倒れなかった。剣の代わりにもう一度無空撃で消滅させた部分に下蹴りをかます。   それを偽剣で防御し、直ぐさま闘刃は天井に銃弾を撃つ。   落下してきた大量の瓦礫を避けるため、一度その場から下がった。  
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