第十九章 昨日の仲間は今日の敵

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「ハァ……ハァ……」   お互いに少し傷を負ったが、俺の方がまだ有利だ。無空撃は破壊とは違う。存在の消滅なので結界の再構築には多大な時間を要するはず。   おそらくこの戦いの中で修復を終えるのは不可能だろう。   イケる。あと二箇所消滅できれば闘刃は守りきれない。確実に仕留められる。   「フフッ、ようやくあの頃の目になってきたか」   「あの頃?」   「戦争の時だ。お前は強い敵と戦うとき、必ず本当の目的を忘れる。ミヤコはもうここにはいない」   「何!?」   時間稼ぎだったのか!?クソッ、まんまと騙された!!   「吉宗。一発、でかいのを放つ」   闘刃が両手でエネルギーを集めている。やばいなんてもんじゃない。   「ここは一階で正門とは直線で繋がっている。早く伝えに行った方がいいんじゃないか?クロや蓮がいるかもしれないぞ?」   「蓮!?蓮がこの国に来ているのか!?」   何故蓮が?闘刃の嘘か?だとしてどうする?   「一分くらいは待ってやるか」   「クソッ!!」   直後に座標を指定し、研究所の噴水場まで空間移動する。   正門まで突破し、外の現状を目に映す。   大量の屍が地に伏し、その中で立っている四つの存在が見えた。   ガデス、蓮、クロ、それと全身鎧を着た謎の人物。  
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