第十九章 昨日の仲間は今日の敵

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「知らない方もいると思うので自己紹介を。私はデュラン。魔生物の生みの親。残念ながら討伐協会は今回を持って解散とさせていただきますね」   「何を言って……」   「生き残りは僅か。比べて我々は上層部全て存命。いかがかな?」   見れば流人もメイデンもかなり怪我を負っている。今ここで乱戦になれば不利なのは圧倒的にこちら側。   首都まで撤退するか?都合よく生き残りは全員集まっている。メイデンは嫌がるかもしれないが、勝算のない戦い程意味のないものはない。   「ミヤコは第二研究所の方に移送したよ。この研究所も色々と目についてきたからね」   「じゃあ俺達がここにいるのも無駄な時間って事か」   地面に黒い空間を生成し、デュラン側にいる者を除いた全員を首都まで運んだ。   流石にこの数を数回かしか行った事がない首都まで移動させるのはきつかった。到着した途端に片膝を地につけ、息が荒くなる。   メイデン、クロ、流人、鎧男に狼、それにリーン……リーン!?   「宗吉、久しぶり」   「お前……ハァ、ハァ……いたのか」   いつの間にか俺の肩に座っている。全然気付かなかった。   やばいな。病み上がりなのに隠力を使いすぎた。一度休みたい。   「宗吉、今のはあなたが?」   「わり、メイデン。ちょっと……休ませ……て」   気が抜けて一気に身体にきたのかもしれない。俺はそのまま眠ってしまった。   なんかクロが俺を呼んでいるような。でも、多分次は普通に起きれる……よな?
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