第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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妙な既視感を覚える。しかし今度ばかりは自分自身ではっきりと目を覚ます事ができた。   「宗吉、大丈夫?」   クロの顔が間近にある。いや、これは近すぎる。顔を少し動かせば当たってしまうような。   「え、ちょっと……」   とか言いながらクロも拒否していない。まさかこんな所でクロとの初キ……   「あら、お盛んね」   第三者がいた事でお互いに瞬時に離れる。ベッドの上で寝かしつけられていたようだ。   「や、やぁメイデン。いたんだ」   「いるわよ。ここは討伐協会本部なんだから」   なるほど。医務室のような雰囲気がある。この場所は個室か。   「ただの疲労だそうよ。半日程寝てたわね」   「いやぁ、目覚めてすぐに隠力使いまくったから。……それで?他の奴らは?」   「討伐協会ではないルガードやラルフ、流人は首都の警備をしてくれているわ。討伐協会も八割の戦力を失って、あまり機能していないのもあるの」   首都から研究所まではそれなりに距離はある。ザードやシーザなら早く来れそうだが、奴らもそう焦って攻めてくるわけでもないだろう。言っていたように戦力の差がもはや大きすぎる。   「策が思い浮かばないの。確かにリーンが戻ってこれたけど、ミヤコは結局救出できず、幹部のゾルマとゲルマもザードに殺されてしまった」   ……相手の強敵はガデス、ザード、ヤマ、シーザ、それに闘刃、蓮。厄介極まりないな。デュランを倒すにはこの全てをどうにかしなければならない。  
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