第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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デュランが言っていた第二研究所というのも所在が掴めていない。   「魔生物は互いの特有の匂いを感知したりはできないのか?」   「できるわ。でも、研究所の近くにいた時でさえそれは感じられなかった。多分、特殊な空間に閉じ込められているみたいね」   向こうも対策はしてあるのか。う~ん……。   「そんなに悩まないで。まずは身体を万全にいておいて。元々、私達の責任だから。私は仕事に戻るわね」   はかなげな表情に変え、メイデンは医務室から出ていく。彼女もまた数少ない幹部だ。色々とやることがあるに違いない。   隠密行動ができるのは俺だけだ。しかし、向こうには闘刃や蓮がいる。俺の隠力の気配はすぐにばれてしまう。なんとかして第二研究所の特定をしたいところなんだが……  ベッドの上で両手に頭を乗せて枕につく。今気が付いたが、クロは近くにある椅子に座ったまま俺を凝視していた。   「どうした?」   「……宗吉、また無茶しようと考えてない?」   「大丈夫大丈夫。相手には隠力の気配を感じ取れるのもいる。やろうと思ってもできないのが現状だ」   一つひっかかる事はある。あの闘刃の意味深な攻撃だ。あの攻撃で俺は恣意的にだが外に現れ、生き残りも近くに集まってくれた。結果的に隠力で上手く逃げおおせたわけだ。   ガデス達も知らない様子だったから計画されたモノではなかったんだろう。じゃああれは俺達のために?  
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