第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

5/11
前へ
/457ページ
次へ
あれから一週間が経った。流人は輸出船に乗り、裏のルートから万国を去り、帰国した。   この一週間は平和そのものだったと思う。俺の身体も完治し、隠力も通常通り使えるようにもなった。   以前の戦いが嘘だったかのような静かな日々になっている。   しかしそれは今日という日から大きく変わった。   「へぇ、あんたが新幹部に?」   魔生物でも人間でも魔生人でもないルガードが本日付けで討伐協会の新幹部に任命された。とにかく今は強い奴が上層部にいて欲しいというメイデンの意向らしい。   ルガードから闘刃がクロ達と別れた後の話を聞き、俺もその強さを耳にしている。無限の再生能力を持つ不死の古代生物らしい。   「地上の暮らしも悪くない。それに、俺はどうもデュランの考えは気に入らん」   店は客回りがよく、商売も繁盛している。以前、魔生物の襲撃によって壊された部分もあるにはあるが、首都はほとんど回復しつつある。   その一角に座り、こうしてルガードといるのだが、ルガードは常に重装備をし、兜で顔も隠している。物々しい雰囲気から、この人が多い首都でも目立っている。   正直居づらい。   「それで、闘刃の事についての話ってのは何だ?」   居づらいが、ルガードは闘刃について話があると言い、俺をここに連れて来た。   研究所に来るまで行動を共にしていたと言うから、俺も非常に気になる。  
/457ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加