第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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「これは……」   一週間ぶりに見た研究所は『研究所』ではなかった。もぬけの殻じゃなく、そこには何かがあった形跡すらない。   きれいさっぱり研究所は無くなっていた。   一瞬座標を間違えたのかとも思ったが、地面に闘刃が放ったあの攻撃の跡がある。確かにここは研究所があった場所だ。   第二研究所とやらに移るから証拠隠滅のために消し飛ばしたのだろうか。   とにかく記憶を頼りに周辺を歩いてみることにした。   中央の棟は……あの辺か。確か中央のみ地下に続く階段があったはず。   「……埋まってるな」   土を触ってみる。階段がない場所と比べて若干やらわかい。埋め立てのような感触がある。察するに、研究所は上空から何かを落として破壊したのではないだろうか。そうでなければ、こんなに上手く消すことはできない。   あの中でそんな芸当ができそうなのはシーザかザードか。   第二研究所に関するモノはなさそうな気がする。   俺の考えが間違ってたか?深読みし過ぎたのかもしれない。   「ん?」   足に何かがひっかかる。しかし足元にはそんな出っ張りや石などはない。   「これ……」   透明でわかりにくかったが、物体はあった。これはアクリル板……か?大きさは五センチくらいですぐに地面から取れた。   なんでこんなモノがあるんだ?  
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