第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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しばらく眺めていると俺はある事に気が付いた。   これ……アクリル板じゃない。手触りが滑らかじゃなく、変にざらついている。   しかし見た目にはとても凹凸がある表面には見えない。   「……ひょっとして」   ざらついている部分を空間膨脹させ、自分の血を少量流し込んだ。   やっぱり。表面の凹凸は文字だった。ご丁寧に羅国語で彫られている。   「45 62 24 38 74 32。後はお前の性癖で考えろ」   これって……何だ?   闘刃が残した重要な文章であることは間違いない。これに辿り着けるのは空間を操れる俺だけ。   じゃあこの文章も俺に対して意味があるモノだろうか。   数字……それで思いつく事といえば俺が隠力を使うときに指定する座標がある。しかし並べてある数字は六種類。座標なら二つでいいはずだ。   それと数字の後にある性癖で考えろという謎の条件。   持って帰って調べた方がいいかもしれない。   「宗吉」   「はい!?」   いきなり呼ばれて驚いた。恐る恐る後ろを見ると、思っていた通り、クロがすぐ近くに立っていた。   クロもこの周辺を偵察していたのか。   「また宗吉だけで調査してる」   表情がきつい。少し怒っているかも。   「まぁまぁ、そんなことよりいいものを拾った。これなんだけどさ」   先程の数字の並びをクロにも見せる。頭のいいクロなら何かわかるかもしれない。
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