第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

9/11
前へ
/457ページ
次へ
「……座標?でも羅列が多い。最後の文章は?」   「後はお前の性癖で考えろって書いてある」   「……宗吉の性癖って何?」   真顔でクロはそんな変態めいた事を尋ねてくる。ちなみにこんな会話は未だかつてクロとした事はない。   「コスプレ、マゾヒスト、身長差、可愛いは正義……くらいかな」   そして普通に答えてしまった俺もどうかしてる。ま、大体はクロにはばれている事だ。隠していても仕方ない。   「これ、闘刃からの?」   「あ、よくわかったね。そうそう」   真剣に悩んでいるのを見ると失礼だが滑稽だ。俺の性癖を真面目に考えている。基本クロは真面目だから   「……わかったかもしれない」   「ホント!?」   「さっき宗吉が言っていた性癖。その中で一つだけ昔からありそうなものがある。それがマゾヒスト」   「ほぅ、それで?」   「闘刃は宗吉と幼なじみ。だから一番内在してそうなのが妥当だと思った。次に『後は』という単語。多分これは何を示しているのかわからない四つの数字を表している」   「ということは?」   「つまり最初の二種類は地図上の経線緯線。その後はマゾヒスト……『M』をつける。メートルの略称。宗吉の隠力で測量単位が出るとすればメートルしかない。つまり最初の二つは大まかな位置、次はその中の一区画、最後はその区画の中の一部屋」   ……うん。俺には絶対思いつかない考えだ。まだ合っているかはわからないが、理にかなっている。  
/457ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加