第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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自空間から万国の地図を取り出し、それを拡げる。   とりあえず、経線と緯線を数字の通りに結んでみた。   「……」   万国の魔生界の最北西に当たる。完全未開拓地帯だ。この研究所からも距離は長い。地上を歩くにはきついな。   「クロはこの辺行ったことある?」   「ない。こんな所に第二研究所があるなんてデュランは言ってなかった」   クロにも秘密にしていたもう一つの研究所。闘刃は何で知ってたんだろうか。   「どうやって行く?」   「ん~、前みたいにブルーに乗せてもらうか?いや、それでも長いか」   それにブルーは竜の魔生物だが戦闘はあまり得意じゃないらしいし。   「私は気長な旅でも構わない。……宗吉と一緒なら」   まぁそういうのもいいと思うんだけどね。真顔で言うの止めてくれませんかね?恥ずかしさをおくびにも出さないのはクロらしいっちゃらしいが。   「俺もそうしたいんだけど、悠長な事してる場合でもないからな……」   一度報告がてら討伐協会に戻るか。ミヤコの救出は協会にとって最重要項目。せっかく見つけた第二研究所の手掛かりだから情報は共有しておくべきだ。   「首都に戻る。つかまって」   「うん」   手から身体全体が驚く。クロが手の指を絡め合わせてきたからだ。   「それ、誰から教えてもらった?」   「メイデンから。私達の関係はこうするのが一般的って言ってた」   メイデン、ありがとう。
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