第二十章 ミヤコ救出作戦(前編)

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新幹部が勢揃いし、俺達と共に席を並べる。ミヤコを救出するための作戦を練るためだ。   「現実的にはブルーに運んでもらうのが一番だけど、それでも五日はかかるかしら」   メイデンもブルー頼みが手っ取り早いと思っているらしい。   ブルーに乗るなら全員で行けないこともないが、あくまで救出が目的。できたら俺だけがいい。   「宗吉は隠力があるから必須ね。他に誰かがいるかどうかはあなた次第よ。不必要なら単独になるわね」   メイデンは俺以外の者達を目でまわっていく。   「俺は図体がでかい。行く必然性はないな」   「行きたい気持ちはある。けど、私、あまり強くない。遭遇した時、足手まといになる」   ルガードとリーンは直ぐに断りを入れた。言っている事は尤もらしい。   最後にメイデンはクロに目を向ける。   「……意地でもついていくって顔してるわね」   「はい」   はっきりとクロは返事をしてメイデンを見つめ返す。俺的にはクロかメイデンのどちらかが理想だと思っていた。どちらも黒鳥や蝙蝠といった小型に変化できるし、何より強い。   「宗吉はそれでいいかしら?」   「構わないよ。けど、条件がある。クロ、すまないが、第二研究所の内部は俺だけで行く」   「それは何故?」   「お前がもしデュランに捕まってしまえば俺は奴の言い分に従うしかない。それを避けるためだ。代わりに外部から錯乱のために攻撃をして欲しい。その方がミヤコを混乱に乗じて救出しやすい」   それだと万が一デュランの気配を感じても直ぐにクロは空中へ逃げられる。   「……これを」   クロはスカートのポケットの中から何かを取り出し、俺に渡す。アクセサリーのように見えるが、首飾りか何かだろうか。黒いかぎ爪と大剣の形をしたアクセサリーが重なり合っている。   「黒爪から造った。離れていても私達は一緒。そういう意味」   「へぇ~、よく造れてんな。ありがとう」   クロからプレゼントを貰ったのは初めてだ。大切にしなきゃならんな。   「ま、死亡フラグにならんよう頑張りますか」   ちなみにこの時もクロは真顔だった。  
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