第二十一章 修業の刻

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そこからの行動は私も考えてやったわけじゃない。だけど最大生理限界だからいけるかもしれない。そう思った。   「!?」   投げた槍を電子の力で引き戻し、その刃は予想外の所からイーターさんの背中をかすめた。   「や、やった!!」   傷は浅い。イーターさんにとってはかすり傷だろう。それでも当てることができた。   「まさかあんな距離から戻してくるとはな。よく思いついたもんだぜ」   「最大生理限界ならひょっとしてって。これで、奥義教えてくれますよね?」   そして奥義を取得できれば免許皆伝。闘刃君に会いに行ける。   「約束は約束だ。流槍術の奥義、伝授してやる。槍を貸しな」   イーターさんに自分の槍を渡すと、それにある物質をはめ込んだ。そして再び槍を私に戻す。   「……え?」   はめ込まれた物は石のようだった。紫色の光を放つ綺麗な石だけど、まさかこれが奥義?なわけないかな?   「古代石だ。流槍術は別名ドラゴンの竜という文字で『竜槍術』とも言われている。古代七竜をかつて従えていたラクシードが使っていた。その槍は複製品だ。だから一体しか古代石をはめ込められない」   じゃあ、この紫色の石は古代生物である竜の精神が宿っている……。   「古代七竜の古代石は俺は二つしか持っていない。一つはこの赤竜、もう一つはその雷竜だ」   「雷の竜……」   たまたまだと思うけど、私と同じ属性を持つ竜の力が武器に加わった。   と言ってもさっきまでの状態と全く変わらない。   「上手く使いこなす事ができればそれが奥義になる。ま、お前にその器があるかは知らんな。基本的に竜は寡黙で自分より強い者でなければ従わない」   ……どうすればいいんだろう?それを証明する方法が考えつかない。雷竜を呼んでみたが反応もない。   ん~?
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