25人が本棚に入れています
本棚に追加
あの先が外に繋がっている。そういう事だろう。
「どちらにしろ俺は近々外へ出すつもりだった。大きくなるにつれ、さらにシャルナに似てきて、俺は錯覚してしまいそうだった」
「それって……」
シャルナさんはまさかイーターさんの恋人だった?
そうは聞けなかった。初めてイーターさんが苦々しい表情をしたからだ。
「生きて戻る事はないと思っていた。結局死に方まで予想通りときた。クソガキはやっぱりクソガキだったな」
「悲しくは……ないんですか?」
「さぁな。直接見たわけでもねぇし、わからないな。ただ、クソガキらしく生きられたんだから俺が思う事はない。……ほら、早く行け」
背中を押されながら私は出口へと進む。だけど直ぐに止まり、後ろを振り向いた。
「私も……イーターさんの事、師匠って呼んでいいですか?」
それを言われたイーターさんは最初驚いたように目を見開いたが、息をついてこちらを見つめる。
「勝手にしとけ。お前は二番目だがな」
「師匠!!絶対!!また会いに来ます!!約束します!!」
大声でそう宣言した。すると師匠は声高々に笑いながら言い返してくる。
「若菜、お前はまだ極めてねぇ。免許皆伝になりたきゃあまた来な」
「はい!!それじゃあ、また!!」
次こそ前だけを向いて走って行く。
早く闘刃君に会いたい。その一心で私の刻は動き出した。
最初のコメントを投稿しよう!