第二十三章 ミヤコ救出作戦(中編)

2/11
前へ
/457ページ
次へ
空を旅するのはこれで二回目になる。あの時は半日もかからずに行けたが、今回は少し長い。途中途中で陸に降りて第二研究所まで進む必要がある。   飛行はそれほど高くなく、空気が薄くなってもいない。わりかし快適な空の旅だ。   「ブルーも古代魔生物だったんだな」   「そうだよ。まだ生まれてそんなに時間経ってないけどね。フウリュウ……ってやつ。まぁだから風圧とかは大丈夫だよ」   風竜か。通りで速い割に抵抗が少ないと思った。   地図に沿っているならば、この方角を真っ直ぐ行くことで第二研究所にたどり着くはず。   しかしよくわからん。ミヤコが生きたまま捕まっている理由は何だ?デュランからすれば敵対勢力の頭。真っ先に始末すると思っていた。   「クロはミヤコが生かされている理由、わかるか?」   「……ミヤコはデュランの妻の遺伝子から造り出された魔生物。それが関係しているかもしれない。元々は妻を生き返らせるために魔生物の研究を始めたと聞いている」   「へぇ、生き返らせる……か」   そういや、ガデスには源蔵の肉体的な記憶は残っていたな。羅刹も使えていたし。それを考えると不可能じゃないのか?   なんにせよ俺達が助ける利点はある。
/457ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加