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状況は目まぐるしく変化している。これで羅国のギルス帝国がどう対処するか。
「蓮さんとも戦うことに?」
「多分な。俺達はミヤコの救出が目的だ。時間稼ぎ以外なら戦わなくていい。それは肝に命じておいてくれ」
クロと若菜ちゃんは最後に強く首を縦に振る。
「ま、そういうわけだ。ブルーも重量が少し大きくなるけど、構わない?」
「いいよ。そこのお姉ちゃんも軽そうだし」
体長十メートル以上ある青い竜が見た目とは想像つかない高く幼い声を出す。若菜ちゃんも初めて見た時は驚いていたけど。
「ブルーは無理しなくていい。自分の命が少しでも危ないと感じたら逃げてくれ」
「りょーかい」
そうと決まれば直ぐに出発するべきだ。昼間の移動は空といえど目立つ。クロは視覚がなくても魔生物を気配で察知できるから大丈夫なはずだ。
「ブルー、行けるか?」
「問題なし。飛び続けるのは慣れてるよ」
俺達を乗せて再びブルーは空へ舞い上がる。しかし若菜ちゃんは寒くないのだろうか。服装はあまり防寒対策しているようには見えない。
「あ、寒くないよ。これも隠力の修業の賜物。電力は熱にも変換できるから便利だね」
「へぇ~」
電気エネルギーを熱変換しているのか。随分と近代的な隠力の応用だ。
「よ~し、ブルー!!とばし気味で!!」
予定より少し早めに着くことができるかもしれない。闘刃達がその間にいなければいいのだが……。
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