第二十三章 ミヤコ救出作戦(中編)

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‡   宗吉が言っていた時間になった。私は若菜と目配せをし、ブルーから離れて空中から地上へ降り立った。   「誰もいないね……」   若菜が言っているように、見渡す限りの荒れ地は隠れ蓑になりそうな高い岩々がありながらも確かに魔生物の気配はない。   「魔生物をおびき寄せる。ラスター」   意識に応じ、腹から鋭い牙を持った口が開く。そして魔生物にしか聞こえない『死声』を放った。   死声が届くのは半径数キロ程度。座標が正しければ研究所にも届いているはず。   「……来た」   続々と魔生物達が集まってくる。死声の効果は絶大だ。   「若菜は背中を頼む。私が先頭に立つ」   「よし、じゃあ暴れるとしますか」   若菜は早速稲妻を纏い、地を槍で刺していびつな形の電撃を見舞う。   第一陣にいた魔生物がそれにかかり、黒く焦げ散る。   「クロは前だけを向いて」   「わかった」   下級、中級魔程度ならものともしないようだ。私も負けてられない。   「フゥ……ッッッ!!」   コクリュウを両腕に発現させ、グランドバスターを放つ。   直線が一気に開き、先頭にいたビースト系の魔生物もろともに消滅する。   その隙に黒爪を出し、私は走った。   「クロ、跳んで!!」   若菜の声で彼女の槍の尖端が青白く光り、数倍の長さに変化する。私が跳躍すると彼女は物凄い速さと遠心力で槍を振り回した。  
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