第二十四章 四年振りの帰国(前編)

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たった二日。滞在期間は短い。しかし、俺は本当にこの国に帰ってきた。   「懐かしいかい?」   「四年振りだからな。そういうのもある」   ギルス帝国から少し離れた港に着き、思わず空気を大きく吸う。匂いでわかるものでもないが、やはり産まれた国に戻ったというのは感慨深い。   「この国には沢山の隠力者がいるんだってね」   デュランは羅国語で流暢に話してくる。いつの間に学んでいたのやら。   「おや、私が羅国語を話すのは変かい?この国は割と閉鎖的な国だ。目立たない方がいい」   そうは言っても金と黒の混ざった髪に黒いサングラス。きわめつけに黒いスーツと、どう考えても怪しい姿にしか見えない。   現に通りすがる者達はこちらに目配せしている。   「……で?これからどこ行くんだ?」   「当然帝国城さ。私の計画を話す必要がある」   「俺は護衛役か」   まぁ確かにデュランは既に森国で指名手配されている。それくらいは必要か。   しかしそんな立場の人物を帝国が受け入れてくれるのかは見当つかない。   あの情報は流人を通じて帝国側にも伝わっているはずだ。   「今回は対談しに来ただけだよ。だいたい、還暦が近いこの老体に争いは無縁」   ……場合によっては一悶着ありそうだ。
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