第二十六章 ミヤコ救出作戦(後編)

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魔生物は俺を無視するかのように群れを成して研究所から遠くに行く。クロの死声が発動した証拠だ。同時に潜入開始の合図でもある。   第二研究所と呼ばれる建物はこれまでデュラン達がいた研究所とは構造がまるで違っている。   見た目はただの巨大な岩山で、そこらにあるものと同様に地と一体化している。外からは全く中の様子がわからない。   ただ、材質が明らかに違う。これは岩山ではない。魔機物が使われている。   空間に入り込み、実際に中を覗く。   地下……?岩山のような外側とは違い、上は一階だけのようだ。   もう少し奥を見てみると、階段とエレベーターがある。エレベーターをまさか万国で見られるとは。俺の記憶では森国にしかない技術だったはずだ。   デュランは魔生物の開発に関して森国の援助を請けていないと聞いているが、これを見る限り、それは嘘ではないかと思ってしまう。   階段で行くかエレベーターで行くか。考えるまでもない。エレベーターはあまりにも危険過ぎる。俺は階段の方へ向かった。   地下何階まであるのかはわからない。残念ながら闘刃が教えてくれた座標位置は三次元ではない。つまり地下何階にいるのかは自分で捜す必要がある。  
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