第二十六章 ミヤコ救出作戦(後編)

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そろそろ大丈夫だろうか。少しだけ空間に穴を開けて観察してみる。   「二、三分経てばいなくなると思ったか?宗吉」   上手い具合に俺の視線と蓮の視線が合う。あ~、うん。これはもう駄目だな。   俺は観念して擬似空間から現実空間に現れた。   それに今の蓮には隠力を使って戦闘を行うような様子が見られない。敵意もなさそうだし。   「安心しろ。他の上級魔はもっと地下にいる。ここは人間だけの階層だ」   蓮の服装が軍服から私服に変わっている。それが何となく本当に帝国軍ではなくなった事を示していた。   「どういうこと?」   「闘刃から言われている。ミヤコは最下層の地下五階だ」   「いや、まぁその情報は助かるんだけど……」   蓮は敵になったんじゃなかったっけ?状況が難しい。   「……私はガデスに仕えているだけだ。デュランに従っているわけではない。ほら、これを着ろ」   投げ渡してきたのは白衣だった。大きさも合っている。これは一体……。   だが蓮はお構いなしにエレベーターがある方へ歩く。   「全部闘刃の考えの内だ。この研究所にいる奴らはあまり他人に興味を持たない。それさえ着ていれば監視カメラに映っても問題ない」   他人に興味がない?そんな事をなんで断言できるのか。しかし蓮は嘘をつく奴じゃないし……。  
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