第二十六章 ミヤコ救出作戦(後編)

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この狭い空間では俺が圧倒的に不利。それを覆して倒すというのも面白いが、俺の目的はヤマではなくミヤコ。   「逃げるが勝ち~」   「なっ!?」   俺は壁を空間移動し、ヤマが先程までいた部屋に入り込んだ。   部屋は薄暗く、物はほとんど置いていない。だがただ一つ、目立つものがある。   十字架に張り付けられたミヤコだ。   意識が朧げにしかないように見える。様子がおかしい。   「おやおや、油断していますよ」   ミヤコを背に俺は直ぐに大剣を自空間から出し、構える。   ご丁寧に扉からヤマが来る。俺も少々呆気にとられていた。   この部屋ならば多少の無理をしてもまともに戦えそうだが……。   「ミヤコに何をしたんだ?」   「彼女は私達が知らない情報を持っています。自白させるために色々とね」   まずい。早く治療を施さないとミヤコが危ない気がする。   俺はまず片手で空間圧縮を起こし、ヤマを一時的に閉じ込めた。そのスキに大剣で十字架につるされたミヤコを斬り外す。   「器用な能力ですが、どちらにしろ私を倒さない限り出られませんよ」   隠力で閉じ込められていてもヤマは余裕の表情をしている。   奴の言うことは正しい。俺は同じ隠力で別の二つを同時に使うことはできない。空間移動するためには空間圧縮を一度解除する必要がある。  
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