第二十六章 ミヤコ救出作戦(後編)

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「闘刃の差し金?」   「もし宗吉に出くわしたら案内をしろ。その後は自室に戻れ。……私は頼まれ事を請け負ったに過ぎない」   これで確定した。闘刃はミヤコを脱出させたい思惑がある。   しかし闘刃の目的が定まらなくなっているのも事実だ。   「いける?」   「当然。ヤマは私が食い止める。その隙に」   直ぐに蓮は部屋を出て階段へ向かう。俺も遅れないように走って後を追った。   一階へ上がり、出口付近に抜刀の構えをしたヤマが見えてくる。   蓮はこれ以上近付いてはいけないギリギリの場所で止まった。   「やはりあなたは裏切ると思ってましたよ」   「私はガデスの意思に従うだけだ。断じてデュランの配下ではない」   呼吸を整え、蓮の身体から白い光が放出する。羅闘気だ。どうやら全開で戦うらしい。   「お前は刀による結界がある。近接戦闘ではそこから退かすことはできない。だから……」   拳に重力をためている。何をするつもりなんだ?   すると蓮は俺に少し下がるような手振りをする。そして振り上げた拳を一気に地面に叩き伏せた。   「こ、これは……!?」   その衝撃は軽々と一階を支えていた床を破壊し、蓮とヤマは地下へと落ちていく。   引き付けておくという蓮の言葉は本当だった。   この時間を無駄にしてはいけない。俺は壁を空間移動で抜け、ついに外へと脱出した。  
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