第四章 対魔戦闘

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列車の振動に揺られながらどのくらい経ったか。それまでとは違う大きな揺れが生じ、いきなり何かを掴まないと倒れるくらいの衝撃を受ける。   「止まった……?」   だが乗客は喧騒を始め、状況が混乱し出していた。   すると前方の車両から痛い悲鳴が聞こえてくる。万国の人々はそれで察してしまったのだろう。次々と後ろの車両へ逃げていく。   「蓮さん」   「襲ってきたんだろう。非常事態のようだな。乗客の慌ただしさが物語っている。行くか」   無言で私達は頷き、前の車両へと走る。   「うわぁ……」   血だらけの人間の死体が無惨に転がっている。それに何体も。   異臭が漂う中、私達は人間とは異なる別の生物を見た。   首がなく、腕や脚の筋肉が異常に発達している二足歩行の何か。全身が濁った泥水のような色をしていて、赤黒い口だけが大きく開かれている。   「こいつが、魔生物……」   しかも一匹じゃない。見える範囲で五匹。外から窓を割って侵入してきているようだ。   「数は向こうが多い。連携して倒すにも場所が狭い。まずは一匹ずつ。行くぞ」   先行し、蓮さんが速い踏み込みで魔生物に突っ込む。   「遅いな」   人間なら腹の部位になる場所に強烈な下突きを送り、魔生物を一匹まるごとこの車両の一番奥まで吹っ飛ばす。   「なるほど、人間よりは硬い」   殴打された魔生物は全く動かない。絶命したのか。   だが他の魔生物は標的を蓮さんに定めた。  
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