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生理限界を発動させ、私は槍を手に突進する。
「グャフワッ……」
「ハァァァッ!!」
突き入れた槍を振り回し、別の魔生物へと投げる。直ぐさま椅子を台代わりにし、三匹が固まったところに高電圧を帯びた槍を飛ばす。
汚い雄叫びを上げ、そいつらは黒焦げとなった。
「ほいっと」
氷づけになった最後の一匹が流人君の拳打で粉々になり、まずは最初の五匹の殲滅に成功した。
「終わり?」
流人君が周りを確かめていた時、不意に列車が傾き始める。
「うおっととと!?」
「外へ出ろ!!」
割れた窓から飛び出すようにして列車外へ。暗闇の中、流人君が火柱を立てて空間を明るくする。
原因の奴は一番前の所に居るようだ。炎の光を頼りに私達はそこに急ぐ。
「シャアァァオッ!!」
煩い鳴き声が耳を叩く。薄ら目で見た奴の姿は、簡単に例えればさっき戦った魔生物の巨大化したものだった。
全長三メートルくらいはある。その分動きにくそうにもしている。両方の壁が見えるのでここは一車線の線路か。
「お、いいのみっけ」
火柱から形を変化させ、流人君は炎の矢を二カ所に打つ。それと共に一気に景色が明瞭となった。
「非常用の松明があったみたい。これで準備は万端かな」
「よし、流人は氷で足止めをしろ。若菜は後ろに回り込め。さっさと片をつける」
「「了解」」
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