第四章 対魔戦闘

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首都からフラガ方面へ発車した列車が異変に気付き、意外にも早く私達と乗客は別の列車に乗り換えることができた。   無事だった客が私達の戦いぶりを見なかったのは幸いだろう。下手したら上級魔生物に間違えられる。   隠力者という立場はふせておかなくてはならない。   それにしても地下列車でさえあのように魔生物に襲われる羽目になるなんて。表面上の安穏はあてにできない。   それともあの状況は万国の人間にとっても普通ではなかったのか。   どちらにしろ羅国や森国と比べて格段に治安は酷い。本当に魔生物とやらを造った人間は何の目的があったのか。というか、これは何の目的があったとしても許されるべきではないと思う。   『誰か』の視線は換えた後には特に感じない。あれは気のせいだったのか。   今度は魔生物による事故も起こらず、最終的に私達は首都ゼルグランドに着くことができた。   背伸びとため息が流れるように出て、何だか列車に乗っただけなのに疲れが溜まってしまった。   「もうちょっとだけ歩く。首都は広いからな。今日は宿に泊まって明日にでも健太の所に行くとしよう」   健太君……留学したまま戻って来なくなっちゃったんだよね。半年に一回、学園の方に手紙が来てたから生活はきちんとしているんだろうけど。   仕事をしているこっちのが楽しいと言ってたっけ。会うのが楽しみだな。  
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