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首都は賑やかで華やかさがある。私達の国の首都ギルスといい勝負している。
観光に来たわけじゃないのに街を探索したい気分になってくる。
「ゼルグランドは万国の全ての中心地らしい。魔生物もそう易々と侵入して来れないよう、天井となる半球状の壁を設置している。最も安全な場所らしいが……」
蓮さんが唸る理由もわかる。所々に建物が破壊された箇所が見え、人々は修理に勤しんでいる。
魔生物の襲撃でもあったのだろうか。
「まぁ、それはあいつが色々と教えてくれる」
宿に泊まり、朝方に早速私達が向かったのはとある武器防具修理店だった。
中を覗き、奥を見ると懐かしい顔が……ん?
「いらっしゃ……あぁ~!!ま、ま、マジっすか!?」
大人びた顔つきだったので口癖を聞くまで確証を持てなかった。でも首にかけたゴーグルに頭に巻いたタオルは昔と変わっていない。
「健太、背が伸びたな」
「れ、れ、蓮先輩?それに流人先輩、若菜先輩も?」
私の事も覚えていてくれて素直に嬉しい。けど身長が大分高くなっているのには驚いた。蓮さんよりもある。
「……旅行ってわけじゃなさそうっすね。理由は多分わかるっす」
「聞かせてくれるか?宗吉と闘刃のことについて」
健太君はばつが悪そうにしながらも肯定してくれた。
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