第五章 万国の事情

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総勢五者がこの大きめの机に集った。   健太君の横に座った女性はくせっ毛の茶色い髪をいじりながら珍しい黄色い瞳を何度も開閉している。   私より年上?かな。見た目の年齢は蓮さんと同じくらいかもしれない。   「どうも、ケンちゃんの婚約者のメイデンです」   「婚約者!?」   羅国語で話す彼女に驚くよりも私達は別の事で三者一同の反応をしてしまう。それを見て健太君はため息をつき、とうとう勘忍してくれた。   「黙っててすまないっす。二年前から一緒に住んでて、先日婚約したっす。事情があってまだ結婚はしてないんすけど」   いや、だって婚約って。健太君はまだ十八だ。世間的に考えるとかなり早い。   「そうよね。でも婚約する前から私達は愛し合っているもの。心も身体も」   ……は!?いけないいけない。思わず羨ましいと考えてしまった。   にしても美人な女性だ。一体どういった経緯で知り合ったんだろう。   「で、ケンちゃん。この方達は?」   「学園にいた頃の先輩達っす。この姐御肌の方が蓮花先輩、頼りになるちっちゃい方が流人先輩、もっとちっちゃい方が若菜先輩っす」   私の紹介が結構酷い。まぁ背は低いけど、これでも四年間で五ミリ増えたのに。   「あら、ひょっとしてソウキチとも知り合い?」   「あなたも宗吉の事を?」   「えぇ、知ってるわ。ルナの剣を持ってたし、印象に残ってるもの」   「流奈!?流奈姉さんの事も!?」   蓮さんが立ち上がって目を大きく見開く。流奈って確か蓮さん、宗吉さん、闘刃君を育てた人だったっけ。   「……よかったら教えてあげるわ。ルナの事。こっちも羅国に行ってからの彼女を知りたいし」  
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