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「ラスターは私の中にいる古代生物。普段はラスターが不要な魔生物を取り込んでいる。でも気まぐれで、たまにしか呼びかけに応じてくれない」
「へぇ~、そんな奴もいるんすね」
これくらいなら問題ない。しかしそんなに心配する必要もないか。まさかラスターが私の腹部から口を開くなんて予想できないだろうし。
「私がここに来てからどれくらい経った?」
「二日っすよ。フォードの見立てでは一週間だったんすが、わからないもんすね。魔生人は」
二日。それくらいの休息ならカラダも大丈夫……か?
とりあえずベッドから起き上がり、翼を広げる。
「ちょっ……!!ここで飛ぶと」
「確認しているだけ。変型して少し首都を飛んでくる。明日には戻るから」
そう一言断りを入れて黒鳥に変わり、窓から街へ飛び出した。
首都は天井があるものの、鳥は少ないながらここに住み着いている。激しく飛び回らない限りは怪しまれたりはしないと思う。
この姿は久々だ。彼と一緒の時や隠れ潜む時によくなっていたのだが、戦いに明け暮れていた最近では魔生人ばかりでいた。
鳥の状態でいると魔生物の『渇き』が薄れる。当分は魔生物を喰えないから節約の意味でもある。
「…………」
適当な屋根に止まり、首都の全景を眺めてみる。
討伐協会……ミヤコとリーンがいなくなって今はどうなっているんだろう?
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