序章 非情な現実

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薄暗い体育館で私は精神統一を始めた。   修業は一日足りとも休んだことはない。特に精神の鍛練は隠力に直接関わる。   電位の力は奥が深い。極めれば様々な事象を引き起こすことができる。   周囲に集中し、隠力を発現させる。円周状に紫電の結界が現れ、私を守護する。もとは静電気だが制御をすることで強力な雷となる。   そして喝を入れ、結界を割る。その瞬間、遠くに置いた障害物が次々と雷光を伴って破壊される。   呼吸を整え、力を一気に解放する。生理限界から最大生理限界へ。   空気が変わり、高揚した自分を普段の自分へと抑制させる。   激情に身を任せては上手く戦えない。   槍を構え、ひたすら突き、払い、薙ぐ。   最大生理限界が保てなくなるまでひたすら。   一日で何秒かでもいい。時間を必死に延ばす。脳細胞を殺す寸前まで追い詰め、耐性を強める。   隠力は努力を裏切らない。誰かの名言というわけではなく、私がそう感じている。   明確な敵もいないこの羅国で、しかも一介の先生が何をしているんだと誰しもが思うだろう。   私は消えることのない力の渇望を追い求めている。   魔生物。どんな強さなのか。闘刃君達を救いたいと願う中、必ずそれが混じる。   私しか理解できない、私だけの心。
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