第十章 姉妹の再会

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万国語だから何を言っているのかわからない。多分申し訳なさそうにしているから謝ったんだろうとは思うけど。   「あなた……変な匂いですわね。人間とは異なる妙な感じがしますわ。彼らと同じ?」   「??」   まだ何か喋っている。そこで彼女は思いついたように指を鳴らした。   「あ、わかりましたわ。彼らと同じ……羅国の隠力者ですわね。え~……」   「手を貸すわよ、シーザ」   彼女が困った表情をしたその時、茶髪の妖艶な女性……メイデンさんが不意に現れる。   呼ばれたらしい彼女は瞬間的に目を細める。僅かだけど敵意も感じた。   「若菜、彼女の名前はシーザ。クロの妹よ」   「えっ……」   大人っぽいから全然そうは見えない。むしろクロの方が妹のような。魔生人だからかな?   「用件はクロかしら?」   「もう終わりましたわ。それで?自分の仲間を近くで待ち伏せさせておいて私を捕獲するつもりで?」   メイデンさんもやる気だ。ここは街中なのに。まだ多くの人間が私達の間近を行き交っている。   それに魔生物だと認識されるのはまずいんじゃなかったっけ?   「抵抗すれば。あなたも騒ぎにするわけにはいかないわよね?」   何やら駆け引きが行われているみたいだ。互いに牽制していて動こうとしない。   するとシーザさんの手が輝き、光が鞭のようなものに変化する。   「このくらいならできますわよ」  
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