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光の鞭がしなり、街の建物をあらゆる方向から破壊していく。
街の人々は急な衝撃に悲鳴と怒号を喚き散らし、とんでもない状況に陥っている。
「チッ、逃がさないわよ!!」
混乱しているさなか、シーザさんが近くの建物の屋上に飛び上がっているのが見えた。
直ぐさまメイデンさんは彼女の後を追って同様に飛び……
「え~!?」
物凄い身体能力だ。人間ではまず不可能な跳躍をして屋根を伝っていく。
私も姿を見失わないように隠力を使って下の道を走る。
確かこの道の先は首都の出口。
上は壁に囲まれているから出口にしか行かないはず。先に待ち伏せしよう。
「ん?何か忘れているような」
……あ!!隠力の気配のこと!!でも今感知に集中すると止まらなきゃいけないし……。
仕方ない。後回しだ。
「それにしても速い……」
生理限界でも競っているくらいだから驚く。多分常人には目で追うこともできないんじゃないだろうか。
「よし、これで」
北門までたどり着き、その場で槍を手に構える。
案の定シーザさんは私の存在に気付き、地面に降り立つ。
私とメイデンさんで挟み打ちする恰好になった。
「彼女は宗吉達を捜しにこの国まで来ている者よ。一時的だけど協力しているわ。さぁ、おとなしくしなさい」
一挙一動を逃すわけにはいかない。メイデンさんが必死になって捕まえようとしているくらいだ。宗吉さんや闘刃君の事に関わっている可能性は高い。
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