第十章 姉妹の再会

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「首都の門はヴァンサー製よ。いくらシーザのハクリュウでも破壊は無理かしら」   「誘導……でしたのね」   メイデンさんは自分の指から血を垂らし、それが鎖の形をとって地を這い回りながらシーザさんに絡み付こうとする。   しかし彼女の周りが何かに守られていて鎖が届いていない。   ……これは、隠力?   「なっ!?」   「遅いですわよ」   メイデンさんのさらに後ろに妙な仮面をつけた誰かが手をこちらに広げている。   この懐かしい感じは……?   「新手!?」   メイデンさんが隙を見せたことでシーザさんが一気にこちらに駆け寄る。   そして私の手前で大きく飛び、北門の扉付近に光の玉を連発して打ち出した。   瞬時に攻撃を回避したものの、爆発による埃が視界を悪くして見えない。   埃?それってまさか。   「……盲点だったわ」   思った通りだ。光の玉は扉を壊していない。しかし扉の周辺の地面に大きな穴を開け、地を経由して外への抜け道を作っていた。   シーザさんも仮面の奴も既にいない。仲間だったのか。   「まんまと逃げられたわね」   「メイデンさん、彼女は?」   「デュラン一派の強敵よ。魔生人シーザ。クロに交渉しに来たのね。でも仲間もいたとはわからなかったわ」   彼女を防御した隠力ってやっぱりあの仮面は……。   だとするとどうして?私達は敵同士ってこと?   まだ信じきれない。仮面の下にある素顔を見るまでは。  
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