第十一章 彼女の決断

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翼を広げたまま低空で直進し、両腕にコクリュウを覚醒させる。   「フンッ!!」   タイラの斧槍から地を這う地裂の波が襲ってくる。私はカラダを反らしてそれを避け、だが回避を察知していた奴も臨戦体勢をとっている。   「もらっ……!?」   バスタードライブを放ち、その一撃は確かにまともに当たった。しかし両腕を交差して防御したタイラは全く効いていない。   「多少痺れたか。だがそれだけだ」   信じられない。私の最も威力のある攻撃で……   「古代生物である剛鬼(ゴウキ)は俺の半身となっている。だから……」   予想外だった。タイラの振り抜きは思った以上に速い。私は素早くしゃがみ込んで難を逃れる。風圧が上を通るのを直に感じた。   すぐに懐に入ろうとしたがその前に斧槍が回って直下してくる。   「クッ……」   慣性の反動で足が動かず、腕を地面に刺し込んでカラダを浮かせてかわす。   刺し込んだ部分を含めてタイラの攻撃で砕けて腕も空中に行く。それを利用して私はすぐに翼を羽ばたかせて脱出できた。   グランドバスターは以前試したが駄目。バスタードライブも効果がない。   オロチは相手が魔生物でないと本領発揮できない。ラスターも同様。   残る手段はコクリュウの浸蝕。現在は25パーセント。デュランが言うには50パーセントが本当の限界線らしい。しかしその前に理性が飛ぶおそれもある。乗っ取られてしまえばパーセントというのもなんら意味がなくなる。  
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