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翼を広げたまま低空で直進し、両腕にコクリュウを覚醒させる。
「フンッ!!」
タイラの斧槍から地を這う地裂の波が襲ってくる。私はカラダを反らしてそれを避け、だが回避を察知していた奴も臨戦体勢をとっている。
「もらっ……!?」
バスタードライブを放ち、その一撃は確かにまともに当たった。しかし両腕を交差して防御したタイラは全く効いていない。
「多少痺れたか。だがそれだけだ」
信じられない。私の最も威力のある攻撃で……
「古代生物である剛鬼(ゴウキ)は俺の半身となっている。だから……」
予想外だった。タイラの振り抜きは思った以上に速い。私は素早くしゃがみ込んで難を逃れる。風圧が上を通るのを直に感じた。
すぐに懐に入ろうとしたがその前に斧槍が回って直下してくる。
「クッ……」
慣性の反動で足が動かず、腕を地面に刺し込んでカラダを浮かせてかわす。
刺し込んだ部分を含めてタイラの攻撃で砕けて腕も空中に行く。それを利用して私はすぐに翼を羽ばたかせて脱出できた。
グランドバスターは以前試したが駄目。バスタードライブも効果がない。
オロチは相手が魔生物でないと本領発揮できない。ラスターも同様。
残る手段はコクリュウの浸蝕。現在は25パーセント。デュランが言うには50パーセントが本当の限界線らしい。しかしその前に理性が飛ぶおそれもある。乗っ取られてしまえばパーセントというのもなんら意味がなくなる。
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