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私は。
「……会いたかっただけだよ。闘刃君に会いたかった。そして見て欲しかった。私の今の力を」
槍を片手に引き、片足を出して前を見る。
「若菜ちゃん！？」
流人君は驚き呆れているだろう。我ながら変な行動理念だ。だけど私は闘刃君が最後に送った言葉を信じただけ。
彼が何でそんな事を言ったのか、予想はついていた。
彼は常に戦いに巻き込まれ、平和とは正反対の場所にいる。隣で寄り添うにはどうしても他者を圧倒する力が必要だった。
闘刃君の傍にいたいから私は必死になった。
「いい表情だ。それでこそ俺が知っている若菜」
不動の状態。闘刃君が『待ち』でいるときの言わば攻防一体の構え。
私は未だかつて闘刃君に勝った事がない。だから安心して全力を尽くせる。
「フッ！！」
隠力を脚に乗せ、最短の速さで電槍を突く。
彼は小手で触れることなく避け、逆に私に偽剣を胴回りに振ってくる。
「！？」
胃の中が逆流するようなモノをくらったが、相手にもそれ相応の代償は与えた。
私の身体に纏う強い静電気だ。
一秒にも満たない硬直。だがそれだけあれば。
痛みを精神でどうにかできる最大生理限界では機能障害が起きない限り止まることはない。今度こそ。
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