第十一章 彼女の決断

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「闘刃、時間があまりありませんわ」   白い鳥が喋っている。あんまり自分が驚かないのは多分クロの例があるからだろう。   何となくそんな気がした。   「でもこのままだと蓮達も魔生界に連れて行ってしまう」   「あら、心配ですの?」   「……どうなっても俺は知らん」   闘刃君は再び天獄の境界の方向へ歩き出す。蓮さんと私はあっけにとられている感じだ。   「自分の身は自分で守れ。魔生界はそういうところだ。それでもいいなら俺は止めない」   これは一緒に行ってもいいという事だろうか。   すると蓮さんが私の手を掴んで立てらせてくれる。   「お預けだな。今は魔生界に行くことが先決だ。あいつをどうこうするのはその後でもいい。……で、若菜も納得してくれるか?」   「私は別にそんな……」   また勝てなかったのは悔しい。これで私は三回負けた。   まだ傍にいることを認めてもらえていない。   闘刃君は無言でどんどん進んで行く。何か空気が重い。   四年ぶりに会ったけど、印象としては昔よりも厳しくなったような感じがする。『敵』になったからかもしれないけど。   「闘刃。宗吉は生きているのか?私はどちらも気掛かりだ」   「……生きてはいる」   「何だその曖昧な言い方は?」   「死んではいない」   確かに妙な表現……ひょっとして宗吉さんは今死んではいない状態にある?   その言葉で考えられるのは……。  
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