第十二章 境界の先に

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「ラスター。あなたは魔生物を破壊エネルギーに変換できると聞いている。それを解放して」   「……なんで?あれすっごい精神使うからきついんだけど」   ということはできるのか。   「今戦っているタイラはそれ以外の攻撃が効かない。私が死ねばあなた達も消滅してしまう」   古代生物は私のカラダを借りてその力を出している。彼らは本来のカラダがなく、精神だけがある。当たり前だ。彼らの遺伝子を私に組み込んだのだから。   「ん~、私は理解できないね。オロチもコクリュウもだよ。なんでこんな小娘に力を貸すのかね」   「俺は未練があってあの時代で死んじまったからな。今の世界は中々面白くて好きだ。ケッケッケ」   「…………」   何だ?彼らにしか通じない事情でもあるのか?   それにしても今の言葉でも応じないのは意外だ。   「私は生かされているのが気にいらないね。元々は私達はあの時代で終わった生物。馬鹿な事をヒトはするもんだね」   「だからって引きこもりになんのか?腹が減った時だけ動くのは都合良すぎねぇか?」   「…………」   そうか。ラスターは無理に生き返らされたのをよく思っていないと。   だがそれは私の知ったことではない。   「コクリュウも無口なのはいいけど、あんたは甦りに納得してる?」   コクリュウは首を動かし、私を見てから今度はラスターへと向け、小さく頷く。   コクリュウが意思表示したのを初めて見た。  
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