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ラスターだけがごねているわけだが、私は力技でしか相手を説得させる方法を知らない。
だが今の私にはその力さえない。しないと言うのならば諦めるしかない。
「……ラスター。ロゼは今愛する者に会うために行動している。それを咎める事など何故できる?」
コクリュウが……喋った。低い声で間違いなく口を開いている。
「そりゃあ知ってるよ。でもコイツ意志弱いじゃん。魔生物馬鹿喰らいしちゃうし」
「ヒトは成長できる生き物。ロゼは二度とあのような事はしない」
コクリュウは私を信じている。普段は何も話さないのに、確かな絆を感じる。
「うん。約束する」
彼らは私と共に生きている。『クロ』は私の事だけど、『ロゼ』は私達の事だ。私はどちらでもいたい。
「ヒッヒッヒ。ラスターよぉ、これでもか?」
「仕方ないね。ほら、ロゼ。現実世界に戻りな。私の力、あんたに預けるよ」
でも戻るにはどうすれば?とりあえず目をつむり、向こうに意識が行くように念じてみる。
「……ハッ!?」
「ロゼお姉様?どうなさいました?」
現実だ。隣にはシーがいるし、下にはタイラもいる。
「私、どれぐらい止まってた?」
「一分くらいですわ。急に静止するから驚きましたわ」
もっと意識下にいた気がする。時間感覚が違うのか?
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