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でも何だろう?力を感じる。まるで古代生物の意思が私に直結しているみたいだ。
「……シー、離れて」
「わかりましたわ。ちょうどあの男も足止めしているようですし。ご武運を」
私は衣服の腹部を破き、精神を統一する。
ラスター。あなたの本当の力、今ここで。
牙を剥き出しにした獰猛な口がその場所に現れ、破壊に満ちたエネルギーを造り出す。
物凄い活性が生み出されつつある。これは……
「タイラ!!避けて!!」
大声でそう叫んだ瞬間にそれは放出され、一帯を全て包み込んだ。
光は音よりも速い。私の警告は果たして届いていたのか。
確認することはできない。大きなエネルギーは地面はおろか、暗闇にしか見えない深さまで何もかもを無くし、半径五十メートル程の巨大な穴を開けてしまったのだから。
『これで三十パーセントってとこかね?感謝すんのよ。全部変換してしまえばあんたは飢餓状態になり、寿命を潰すことになる。わかってんでしょ?』
頭の中に別の誰かが話している。というかラスターだ。
あれで三十パーセント。
『自分の意志も大切だけどさ、あんたの大事な奴の気持ちも考えてあげなよ。んじゃ、私寝るわ』
呼びかけても応じない。もう眠ってしまった。
ラスターは何が言いたかったのだろう?
……いや、それよりもタイラが。
地上に降り、私が開けた穴を覗いてみる。
やはり暗くて何もわからない。
あの攻撃でタイラは消滅した……?
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