第十二章 境界の先に

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仲間ではないと言っても同種の者だっただけに罪悪感が生まれる。   私は彼に会いたいがためにとんでもない事をしているのでは……   「ロゼお姉様」   相当茫然としていたのだろう。すぐ近くにシー、それから若菜、蓮花、闘刃がいることに気付きもしなかった。   「タイラを殺ったか。自分と同じ種族を葬る辺り、お前もかなりエゴの強い奴だな」   その言葉に反応し、私ではなくシーが闘刃の襟首を掴む。   「ロゼお姉様は宗吉のために……」   「そうだな。仕方なく、だ。だから別に俺は悪いとは言っていない」   「……わかってますわ」   手を離し、シーは一息つく。若菜達は知らないが、私はタイラを始末しなければならない理由があった。   彼の命はデュランの手中にある。奴の命令に従わなければ殺される恐れもある。   その命令は二つ。私が魔生界に戻ることと、タイラを抹殺すること。   「行きますわよ、ロゼお姉様」   「……」   この選択は正しかったのだろうか。自分で考えるのは難しい。   「悩むのはいいが、これから天獄の境界に入る。その間は抜けることだけに集中してくれ」   闘刃の注意と吸い込む風の強さで現実に戻される。   今からこの境界を越える。思えば闘刃とシーはどうやってこちら側に来たのか。
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