第十二章 境界の先に

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私は全然いける。しかし彼女達は腕に限界が来る。   「……!?若菜!?」   目を離すことができなかった。蓮花が彼女の名前を呼んだとき、若菜はそこにいなかった。   「蓮!!反重力だ!!」   闘刃が落ちた若菜を追いかけていった。途端に吸い込まれるような上からの圧力を感じる。   だがそれは突如として強風程度の強さに変化する。   「私が支えている内に早く魔生界へ!!」   道がなくなる前に私達は走って境界内を進む。   渡りきる直前、私とシーが魔生界側の大陸に足をつけたとき、蓮花は即座にオウルイーターの中に入ろうとしていた。   「っ!?止めるな!!」   「あなたは闘刃が考えもなしにやみくもに突っ込んだと思っているの?あの男はそんな命知らずではない」   「お前に何がわかる!!」   暴れそうだったので両腕を背後から抑える。今彼女は冷静さを欠いている。しかし気絶させるわけには……   「ロゼお姉様、彼らは……」   「うん、多分。けど」   闘刃があの場面で助けに行ったのがどうしてもひっかかる。自分の命を最優先するあの男が何故?   目的は達成されたのに頭の中がすっきりしない。   地震も知らない間になくなっている。恣意的なものを感じたが、果たしてどうなのか。  
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