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―☆―
一通りの話が終わり俺は、与えられた部屋の真新しいベッドで横になりながら頭を整理しようと努力するが……無理っぽい。
先程までの雅也さんの説明によると……。
俺ん家が特殊な名家で、俺が次期姫君に選ばれたみたいなんだ。
本当の姫君は女性らしい。
現に俺の家は女性だらけ……大奥だ。
しかし、何故か母さんの時は男の俺しか産まれず……仕方なく俺を次期姫君にしようと決まったと言ういい加減な決め方だった。
そして、俺の使命は日本に存在する4つの祠にある妖刀を再び封印しなければならないらしい。
再びと言うのは、つい最近何者かによって妖刀の封印を解かれたからだ。
そして雪村家の血の中になんと妖刀があるという新事実が発覚。
それは悪い妖刀じゃないから別に構わないんだって……むしろ、それが姫君の力らしい。
そして俺を襲った魔物は俺の妖刀に引き寄せられたらしい。
何だか大変な人生の幕開けの予感。
―☆―
『俺は貴女を愛してる……』
『………なのに、何故俺を見てくれないんだ!!』
ゆめ……ユメ……夢…
「……と……湊」
「……うぅぅん?」
なんだ?いったい誰だよ、人の眠りを邪魔するけしからん奴は……。
すると、身体が重くなった。
何かが俺の上に乗ってる?
俺は、瞼を擦り上に乗ってるのを確かめようとした。
そして石化。
「………なんだ、起きたならさっさと起きろ」
「……………ぎゃぁぁぁぁ!!!!!!!!」
それはそれは、清々しいモーニングコールだったとさ、めでたしめでたし。
END
俺は目の前の変態を足蹴りして、急いで一階に向かった。
目指すは香ばしい匂いがするリビングだ。
「まさっ、雅也さぁぁん!!」
「おや湊くん、おはよう…昨日は眠れたかい?」
俺は雅也さんに飛び付いた。
俺の異常なパニックぶりを見ても動じずに似合わないフリフリレースのエプロンをしてキッチンで朝食を作ってた雅也さんが居た。
俺より少し遅れて変態がリビングにやってきた。
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