219人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
「平気よ、あの子は顔こそ平凡だけど心が強いのよ……アナタに似て、ね」
蒼は私に寄り添い、安心させる言葉を言った。
私も湊は強い子だと思うから蒼に頷いた。
「ああ……なら、彼らとも上手くやってけたら良いな」
「湊はやり遂げるわ、雪村家の使命を…必ず」
私と蒼は見守る事しか出来ないが、大丈夫……なんせ私と蒼の子供なのだから…。
「……ところで蒼、何を見てるんだ?」
「ん~、いざ日本に帰ってきた時の為に、お土産をね!」
「今度日本に帰る日は分からないんだから、今選ばなくても……しかもそれは、生物じゃないか?」
「大丈夫よ、湊は賞味期限一年切れたお菓子だって食べてたんだから♪」
「………え」
私は一気に湊が心配になってきた。
そして心配の中、私と蒼は日本を旅立った。
―湊side―
俺は鞄の前で荷物と格闘していた。
鞄に入るぐらいしか持っていけないから必需品のみ。
まずは服に歯ブラシに……バナナも持ってくか(遠足気分)
母さんに渡された(ってかリビングのテーブルの上にあった)地図をマジマジ見た。
これは何語だろうか。
「えーっと、まず右行って真っ直ぐ行って、左に曲がって………」
分かるかーーーー!!!!!
何だよこの暗号みたいな字は~。
下に(楽しく解いてね☆)なんて書いてある。
楽しくねぇ~。
しかも何だよこの蛇みたいなグニャグニャの道は…
道の最後にでかでかと"森"と掛かれていた。
森なのは分かってんだよー!!!
俺が知りたいのは森の中だしよぅーーー!!!
叫んでも仕方ないから森に向かう事にした。
―☆―
俺は、地図を持ち…本日何度目かのため息をした。
何度かグニャグニャの道で足止めされたが(ちゃんと書かないからこうなるんだ!)何とか森の中に入ったが……。
予期せぬ事態が訪れた(まぁ、家を出る時にある程度予想してたけどさぁ~)
森の字の横には母さんの知り合いと思われる山奥に住む栗林雅也(クリバヤシ・マサヤ)さんと言うお爺さんが居る家の場所が書かれていた。
書かれてるって言ったって、森って字の横にあって矢印が森を差してるから実際は意味がない。
最初のコメントを投稿しよう!