第一幕:平凡から非凡への道

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「……ッチ、下級雑魚が……妖刀の力なんて欲しがりやがって…」 多少少年はツッコミ所満載だが、助けていただいたワケだから何も言わない。 心の中でこれだけはツッコミしとこう。 ……なななな、何故日本で銃なんて持ってんの!? あれか?カウボーイか?現代版のカウボーイですかっ!? ふー、スッキリした☆ パニクってる俺は置いといて、少年は瞼を閉じると綺麗なハスキーボイスで何やら呪文のような事を言った。 「九蓮の深紅(クレンノシンク)の佐久間家が告ぐ、忌まわしき地獄の死人よ…在るべき場所に帰れ……成敗!!」 呪文が終わったのと同時に少年は瞼を開けると一瞬だけ瞳が赤くなった。 しかし少年の後ろに居る俺には全然見えなかった。 少年が空に向かって銃を撃つと、群れの大群はいっせいに空から降ってきた炎に包まれた隕石のような大きな銃弾に命中して跡形もなく消えてった。 銃弾がデカくなって増量したよ……空でいったい何が? 空を見ながら俺は、口をだらしなく開けていた。 すると少年はゆっくりと俺の方を振り向いた。 それに気付いた俺は、少年の顔を見た。 さっきは後ろ姿しか見えなかったけど、こりゃあ美形ですね!!はい!! 平凡な俺への嫌がらせか? いや、そうじゃない事を祈ろう。 一応助けてくれたからお礼は言わないとな! 「あ、あの…助けていただいてありがとうございます…俺は…」 「雪村湊…」 「へ?」 いきなりフルネームを言われて不覚にもマヌケな顔になった。
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